「メアリー・アニングの冒険」
最近、昔のように本を早く読み進めることが出来なくなって、1冊の本を何日も抱え込むことが多くなっています。なので、1冊の本の世界に浸る時間が長くなり、ここのところずっとイギリス南部のライムを旅しています。前に紹介したことのある児童書「海辺の宝もの」(ヘレン・ブッシュ)は12才の少女メアリー・アニングが変わり石(化石)を夢中で集める話で、夢や希望に満ち溢れた本でした。それと比べこの本は、メアリーの足取りを数少ない手紙や科学者たちが残した様々な資料を探し出し、その生涯を浮き彫りにします。プレシオサウルスやイクチオサウルス、プテロダクティルスを発見し恐竜学の扉を開く礎となったメアリーの生涯は、労働者階級でしかも女性であったということで、名声を得ながらも科学者として認めらず、メアリーのプライドは傷ついていたようです。しかし、彼女の生き方は魅力あふれて、強い信念に魅了されます。この本は、手塚治プロダクションで鉄腕アトムのアニメーションの放送作家をしている吉川さんが書いていて、学術書とも言えますが、憶測も含み書かれているのが面白いです。英国自然史や恐竜学に興味のある方に、お勧めの1冊です。
「メアリー・アニングの冒険」~恐竜学をひらいた女化石屋~
吉川惣司・矢島道子著(朝日新聞社)
今も昔も、アマチュアが学問を支えていると思える一冊。
それに、女性の影響力は計りしれない!
「メアリー・アニングの冒険」~恐竜学をひらいた女化石屋~
吉川惣司・矢島道子著(朝日新聞社)
今も昔も、アマチュアが学問を支えていると思える一冊。
それに、女性の影響力は計りしれない!
by mmerian
| 2012-06-30 11:41
| 書籍
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Comments(4)
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ぷーちゃん
at 2012-06-30 16:12
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はじめまして。都城在住のぷーちゃんといいます。
ノボリコ漁について調べていたらこちらにたどり着きました(今年は参加しましたよ)。そばで見ていた息子(6才、虫魚両生類など大好き少年)が大興奮!こちら様の大ファンになりました。油断をするとカチャカチャ一人でパソコンをいじって「おおっ!かまきり!」とか、「なんだ!これ!」とのたまわっております。これからも楽しみにしております(^_^)
ノボリコ漁について調べていたらこちらにたどり着きました(今年は参加しましたよ)。そばで見ていた息子(6才、虫魚両生類など大好き少年)が大興奮!こちら様の大ファンになりました。油断をするとカチャカチャ一人でパソコンをいじって「おおっ!かまきり!」とか、「なんだ!これ!」とのたまわっております。これからも楽しみにしております(^_^)
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春
at 2012-06-30 17:04
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彼女のスケッチがよかったでしょう!!!昔は目に見えるところに階級差別とか女性差別があったので、悔しさも伝わってきます。
ところで、『海辺の宝もの』イラストは誰が描いたものでしょう?どこにも書いていないなんて。おかしいと思いました。もっとも、私が見つけられないだけかしら?
ところで、『海辺の宝もの』イラストは誰が描いたものでしょう?どこにも書いていないなんて。おかしいと思いました。もっとも、私が見つけられないだけかしら?
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mmerian at 2012-06-30 22:27
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mmerian at 2012-06-30 22:51
春さんも読まれているんですね。
悔しさだけでなく、彼女の生きる喜びも感じました。
映画「フランス軍中尉の女」も見たい、と思っています。
再版の「海辺の宝もの」の挿絵は、佐竹美保さんと奥付にあります。
昔の本は知らないのですが、同じ絵でしょうか?
悔しさだけでなく、彼女の生きる喜びも感じました。
映画「フランス軍中尉の女」も見たい、と思っています。
再版の「海辺の宝もの」の挿絵は、佐竹美保さんと奥付にあります。
昔の本は知らないのですが、同じ絵でしょうか?