ヌルデミミフシ

ヌルデの虫こぶ「ヌルデミミフシ」を見つけました。
寄生主は、ヌルデシロアブラムシ。
春先から単為生殖しながら数を増やし、虫こぶを肥大化させます。
そして、10月~11月に、千匹を越える有翅虫は裂け目から外へ飛び出し、オオバチョウチンゴケの上でひと冬を過ごします。

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中を割ってみると、たくさんのアブラムシがいました。
「気持ち悪い~」という声が聞こえてきそうですが、この虫こぶは、「五倍子」と呼ばれる漢方薬で、止血・解毒・下痢止め・目の充血・歯槽膿漏の薬になったり、染物や皮なめしに使われています。なんといっても有名なのは、お歯黒の材料だったことでしょう。インフルエンザやHIVウィルスに対する抑制効果も認められているそうです。

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中の幼虫は白っぽく見えますが、これは、居住空間を綺麗に保つために、排泄物を白い蝋の形で排出するからだそうです。日本人に昔から馴染みの深い虫こぶ、今、知っている人はどのくらいいるのでしょう?小さいけれど、興味深い虫の話です。

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by mmerian | 2012-11-02 21:01 | 昆虫 | Comments(0)
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南国・宮崎の蝶を中心とした、のんびりmamaブログです。


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